日本初ジャンケットのVIPルームバカラ賭博事件
日本初ジャンケットのVIPルームバカラ賭博事件
「ナインアンドピクチャーズ株式会社」(NINE & PICTURE’S., Co)は、2007年に創業した大阪府大阪市浪速区でジャンケット事業を行う企業です。同社は、日本で初めて、マカオ、マニラ(フィリピン)、シンガポール、韓国、オーストラリア、ラスベガスなどのIR施設内カジノを利用するVIP上客のためのコンシェルジュエージェントビジネスを展開し始めたことで注目され、カジノ側との契約によりVIPルームを使用するための担保として保証金を差し入れ、カジノVIP上客がゲームで使用した資金総額(売り上げ)の固定パーセンテージ(勝敗は関係なし)を報酬として得る事業を行っていました。また、大阪本社のほかにも、東京都港区に東京事務所、香港とマカオに海外法人を設立し、ジャンケット事業を拡大していました。しかし、同社の前社長(52)が、事業拡大のために2014年7月~9月にかけて、不動産会社経営者から「保証金が必要だ」などと説得をして貸付金として3億5,000万円を受け取り、この資金を元手に2014年末から2016年1月までの約1年間にわたり会社資金の約1億5,000万円をバカラ賭博でほぼ全額使用したとして、資金を貸し付けた不動産会社経営者や同社持ち株会社の現経営陣ら合計3人が、前社長を業務上横領の疑いで大阪地検特捜部に刑事告発しました。
前社長は資金提供者らから少なくとも4億円以上を借り受けていたようですが、2014年11月にマカオカジノのVIPルームへ保証金として差し入れた約1億5,000万円のほかは、カジノホテルや現地法人で管理していた運営資金約3,400万円を持ち出して使途不明になっていることや、国内口座からも億単位の不透明な引き出しも確認されているなど、多額の使途不明金が確認されているようです。とくにカジノ側との契約によりVIPルームを使用するための保証金を、前社長自ら「バカラ賭博」で使い込んだ疑いがあるということで、大きく問題視されています。
さらに、2017年に設立された「ナインアンドピクチャーズ株式会社」(NINE & PICTURE’S., Co)の持ち株会社「ナインアンドピクチャーズHD」(NINE & PICTURE’S HD)の役員からも貸付金などとして億単位の資金提供を受けていたようで、結果的に2019年9月に入り借金返済のめどが立たなかったため、前社長が大阪市で経営するパチンコ遊技機販売会社と、個人の自己破産(負債総額約5億円)を大阪地裁に申し立てて退任することになりました。
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