ロボ&ソーシャルカジノディーラーに職を奪われる未来
カジノ法案成立で注目が集まる「カジノディーラー」
去る2016年12月15日未明、ついに長年議論されてきた日本のカジノ法案(IR推進法案)が可決され、来年11月~12月頃の国会でIR実施法案が成立することで、初めて日本カジノが解禁する流れとなりました。しかし、カジノ解禁が実現してからも、地域公共団体や民間企業の選定、カジノライセンスの発行、カジノリゾートホテルの建設など、晴れて開業するまでは数多くのステップを踏む必要があります。
実際、カジノリゾート開業までには5~10年の期間が必要と言われ、現状2020年の東京オリンピックには間に合わないとされています。
さて、日本にカジノリゾートが誕生することで、併設されるホテルやショッピングモール、レストラン、さらには周辺地域の商業施設まで多くの雇用が生まれることが、これまでカジノで発展してきたマカオ・フィリピン・シンガポールなど他国の事例から容易に想像できるのではないでしょうか。
そしてその中でも、カジノが誕生することで多くの需要が生まれる職業「カジノディーラー」に大きな注目が集まっています。マカオでも、2002年にカジノライセンスの対外開放を行ってから「カジノディーラー」の需要が急増し、今でもマカオの大学にてカジノ経営学部が設置されるほど国を挙げてディーラー育成に取り組んでいることから、今後日本でも「なりたい職業」にランクインする可能性もあります。
なぜ「カジノディーラー」に冬の時代が到来するのか?
しかし、このほどイギリス・オックスフォード大学が発表した「10年後に消える職業」の第5位に「カジノディーラー」がランクインしたことをご存知でしょうか?じつは近年、AI(Artificial Intelligence/人工知能)研究の発展により、将来カジノゲームを取り仕切るディーラー職が「AIロボットディーラー」に取って代わられることが有力視されているのです。
たとえば現在、世界各国のIRリゾート内カジノ場では、プレイヤー1人につき1台のタブレットマシーンを配置した多人数参加型ライブ中継ゲームが大流行しており、1人のディーラーが多くのプレイヤーを相手にゲームを進行することが当たり前になっています。
※ 多人数参加型ライブ中継ゲーム
(出典:CASINOjapan 2014Vol.29/プリンツ21,2014)
そしてこれは、ディーラーとプレイヤーの間で言葉によるコミュニケーションがなくてもゲームが成立するからこそ可能なシステムと言えるのですが、逆を言えばディーラーがAIロボットディーラーでも問題なく務まってしまうのです。
また、これまでカジノディーラーが行ったミスや不正行為は、彼らを監視するピットボスやサーベイランスセキュリティ部門の仕事でしたが、AIロボットディーラーならブロックチェーン技術による不正記録・報告が容易になり、必ずしも監視機関を設ける必要自体がなくなる可能性が推察されています。
さらに、VR(Virtual Reality)技術を導入したサングラスなどを用いることで、まるでオンラインカジノと同じように自宅からカジノへアクセスすることができ、ゲーム進行を取り仕切るディーラーをアニメキャラクターが担当する…などという未来も描かれているそうです。日本カジノでは、他国では真似できないIT技術を取り入れた次世代カジノ場を打ち出す必要があるのかもしれません。
(最上段Photo: ギャラクシーマカオ / 中国マカオ特別行政区)
(参考文献: CASINOjapan 2016Vol.30 / カジノジャパン[株],2016)
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